2019年05月06日

連休中のあれこれ

この連休はどこへ出かけるでもなくなんとなく過ごした。主な体験としては、「E.T.」を映画館で見たこと(午前十時の映画祭、スピルバーグの映画作りのうまさに感服)、真藤順杖『宝島』(講談社、沖縄人ではなくてよくこんな小説を書けるもの)を読んだこと、など。とある調査の筋で昔のテレビドラマを見るということもしていた。それから山本萠『こたつの上の水滴』(コールサック社)をぼつぼつ読んでいる。萠庵骨董雑記、のサブタイトルがついている。焼き物との無言の対話、その研ぎ澄まされた静けさが魅力的。
「自意識や美意識が見え隠れする器は、人間国宝と呼ばれる人の創ったものであってもわたしには不要である。
美そのものと対話するために、人間の〈意識〉からあらん限りの遠いもの、意識を、無意識にして超えたもの、あるいは、創り手の己を空しくして、〈神〉に捧げたてまつるもの、そして、〈用〉に徹するもの、であってほしい。
器におけるそれらの認識は、例えば一個の猪口を目にしたとき、あるいは手に受けたとき、一瞬の内に感得される。単純に、あまりに単純に、美か否か、という感覚として。」(「夏の坏」より)
まだ読んでいる途中だが、濁世から救い出してくれる厳しさと爽やかさがありがたい。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 11:27| Comment(0) | 日記