先週、国分寺の司画廊での山本萠さんの個展に行った帰り道のこと。JR中央線を八王子方面へ行くべく下り電車に乗ったら、それが青梅行きだったらしく、立川からあらぬ方向へ行ってしまい、中神駅で下車して引き返すという間抜けなことになった。この間違い、そういえば前にもやったなと思い返す。たしかあれも同じく、去年の晩秋の山本さんの個展の時ではなかったか。日記を見ると、その通り。過ちはくり返される。乗り馴れた路線なら気をつけていて絶対間違わないところを、滅多に利用しない路線だとこういうことが起こる。分岐の魔。山本萠さんの個展は今日まで。
ラジオでタリス・スコラーズという合唱団の演奏を耳にして感銘を受け、CDを取り寄せて聴く。歌声のハーモニーとアンサンブルはたしかに素晴らしい。この世のものではないと言いたいぐらい。ただ、歌われる作品が中世の音楽で、近代以降の曲と勝手が違い、どれも同じように響くので、一曲一曲の違いが画然と意識されてはこず、国境も村境もない音楽の大海に浮かんで揺られもまれているようなおぼつかない感じになる。音楽体験としてこういうのも悪くないか。分節不分明の魔。
最近テレビ放映されたヴェルディのオペラ「オテロ」を視聴した。ご存じ、シェークスピアの悲劇の一つ。キプロスの総督オテロは部下のヤーゴという悪意の迷路にはまり込む。オテロの妻デズデモナも知らぬ間にこの迷路の罠に陥ってしまっている。そして出口は禍々しいものでしかなかった。ことの真偽について誰を/何を信じるか/疑うか、という魔。
さて作曲家の西村朗さんが先月逝去されたとのこと、うかつにも知らずにいた。「洪水」誌の時代には大変お世話になった。いくらなんでも早すぎるという気がする。死神が道を間違えて西村さんのところに来てしまったのではないか。デズデモナの死と同じくらいの理不尽さ、無念さを覚える。ご冥福をお祈りしたい。
(池田康)
2023年10月16日
迷子の迷路の魔、そして西村朗さんのこと
posted by 洪水HQ at 09:34| 日記
2023年10月01日
南川優子さんの詩がBBCで朗読される
南川優子さんがメールでお知らせくださったのだが、彼女の詩作品がBBCで朗読されたのだそうだ。以下は南川さんの言葉:
別の話ですが、先週末、イギリスの国営放送BBCのラジオ番組Words & Musicにて、わたしの英詩が読まれました。BBCはラジオ番組については、受信料払ってなくても海外からオンラインで 聴けるそうで、この番組もあと24日間有効とのこと。
題名と名前は読まれませんが、18分13秒のところから始まります。
作品と音楽のリストは、ページの真ん中あたりのRead moreをクリックすると読めます。 もしご興味あれば。
https://www.bbc.co.uk/sounds/play/m001qfrv
ちなみにこの詩の日本語版は、詩集「スカート」にも入っています。
英語版は、
https://www.nationalpoetrylibrary.org.uk/online-poetry/poems/key
*****
もとの作品の日本語タイトルは「鍵」。
9月24日にもらったメールなので、有効期限は10月中旬か。
(池田康)
別の話ですが、先週末、イギリスの国営放送BBCのラジオ番組Words & Musicにて、わたしの英詩が読まれました。BBCはラジオ番組については、受信料払ってなくても海外からオンラインで 聴けるそうで、この番組もあと24日間有効とのこと。
題名と名前は読まれませんが、18分13秒のところから始まります。
作品と音楽のリストは、ページの真ん中あたりのRead moreをクリックすると読めます。 もしご興味あれば。
https://www.bbc.co.uk/sounds/play/m001qfrv
ちなみにこの詩の日本語版は、詩集「スカート」にも入っています。
英語版は、
https://www.nationalpoetrylibrary.org.uk/online-poetry/poems/key
*****
もとの作品の日本語タイトルは「鍵」。
9月24日にもらったメールなので、有効期限は10月中旬か。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 10:31| 日記