2024年01月05日

重苦しい年明け

石川県の大地震、羽田の飛行機事故と、凶事がつづいて陰鬱な年明けだ。
憂さ晴らしというわけでもないが、勝手にベートーヴェン・チクルスと称して彼の交響曲を全部聴いていた。そのきっかけは(もちろん)年末にN響の第九の演奏会(下野竜也指揮)が放送されて、録画したものを正月にもう一度見たことから。N響の第九は一昨年の井上道義指揮のものも記憶に残っている。1番や2番といった初期の曲を聴くのも新鮮で楽しいし、4番とかあまり聴いてない曲だと初めて耳にするようなフレーズにも出会えたりして刺戟がある。このチクルスは元気がもらえる気がする。1番〜8番はマリス・ヤンソンスのベートーヴェン交響曲全集で聴いたのだが、このCDセットには容量の隙間に現代作曲家の小品もいくつか入っていて、邪魔にならないオマケといった感じなのだが、ギア・カンチェリの「Dixi」だけはベートーヴェンなにするものぞといった風に堂々と鳴るのでたまげた。(このカンチェリの曲には前にも触れたかもしれない)
募金箱にいくばくか投じて、しばらくの平穏な日々をあがないたい。無理か……
(池田康)
posted by 洪水HQ at 14:58| 日記

2024年01月03日

みらいらん13号

milyren13.jpgみらいらん13号が完成した。今回は小特集「『夜のガスパール』と詩の場所」を企画、19世紀フランスの詩人アロイジウス・ベルトランの散文詩の遺稿詩集が『夜のガスパール』だが、相当特殊なテーマということもあって、なかなか参加者を見つけることができず、ようやく有働薫さん、高岡修さん、浜江順子さん、松尾真由美さんのお力添えを得ることができて、なんとか形にした。最初は本当に小特集のつもりだったが、なんやかやとページを加えていくうちに、40ページを越えてしまった。これでは「小」とは言えないのだが、参加人数から言っても、気持ち的にも、「小特集」のままでいいかという結論になった。現代のわれわれの詩についても〈散文詩〉の観点でいろいろ考え合わせている。またこの詩集をもとに曲を作ったモーリス・ラヴェルについてずいぶん調べたのも思い出深い。『夜のガスパール』から新訳を数篇試みたのだが、考察したラヴェルの曲との絡みで作品選択をすることにした。他に上田敏、日夏耿之介の歴史的翻訳も一篇ずつ収録している。
巻頭詩は吉田義昭、黒羽英二、坂多瑩子、水嶋きょうこ、松岡政則、もえぎの六氏。
巻頭の連載詩は今号から渡辺めぐみさんにお願いした。15号まで、期待したい。
詳しい内容構成:
http://www.kozui.net/mln13.html
(池田康)
posted by 洪水HQ at 10:47| 日記