2015年04月20日

いかだ句会in大磯

研究会“詩の筏”の句会「いかだ句会」の第2回は昨日19日(日)に柴田千晶さんを講師に迎え、大磯の鴫立庵で行われた。この庵は西行の歌にもゆかりのある、三百年以上の歴史を有する場所で、日本三大俳諧道場に数えられているそうだ。参加者は十名。詩人の海埜今日子さん、同じく詩人の沢聖子さんと旦那さん(渡辺さん)、歌人の江田浩司さんと大田美和さんご夫婦、柴田さんの詩友の富永さん、林さん、谷口鳥子さん、それに講師の柴田さんと世話人の池田。今回は吟行という形で、近くを散策してその属目を題材に作句する。まず庵の近所の浜(こゆるぎの浜)に出て相模湾の海を眺める。そのあと、地福寺に島崎藤村の墓をたずね、高来神社でこの週末に行われていた高麗寺祭の山神輿を見て、旧東海道の松並木を通って帰ってくるというルート。駅前の大磯迎賓館では結婚式も目撃された。今回の句会で最高得点を取り特選も入ったのは次の二句。
 路地の陽を掴みて咲ける黄水仙  富永
 山芽吹き子らの囃しに神起きる  沢
ほかに、りんご飴の天辺平ら花曇(柴田)、虎が雨寄せるより引く波が好き(大田)、海彦が来るかも知れず海霞む(林)、一斉に歩けばコドク春の波(谷口)、春の雨ふりたる磯や光の地(江田)、子らの手にバチが踊りて山御輿(渡辺)、磯の香にぬくもりひとつ花曇(海埜)、人待てば駅舎のつばめ影を切る(池田)。
吟行は、単に句の良し悪しだけではなく、散策の中での諸々の経験をどう活かすかということも重要な着目点になるようで、これは発見だった。オペラを比喩に使えば、この物語のこの重要な場面にどんなすばらしいアリアを作れるかということだ。雨粒が少し落ちてくることはあったが、心配された天気もなんとかもって、心身両面で相当に運動した、楽しい一日となった。
(池田康)

追記
次回は9月に横浜で開催する予定です。詳細が決まりましたらまたこのブログにて告知いたします。
posted by 洪水HQ at 08:40| Comment(0) | 日記
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