2015年08月13日

両国アートフェスティバル2015

7月31日から8月12日まで両国門天ホールで開催されていた上記フェスティバル(芸術監督=井上郷子)の最終日に聴きに行った。この日はCプログラムで、6か国8人の作曲家の作品が演奏されるインターナショナルな曲目構成で、演奏は井上郷子・藤田朗子の両氏による2台のピアノ(ソロの曲は井上さん)。
前半は、ヘジン・ジョン(韓国)「線と海」、金ヨハン(韓国)「ラ・シミラリテ」、マティアス・シャンブーン(インドネシア)「5つの性格小品」、シラセート・パントゥラアンポーン(タイ)「抽象的微粒子I」。東南アジアの国々でもこのような前衛音楽を真剣に追求する人たちがいるのだという素朴すぎる感想とともに、内部奏法も使う、新奇なあるいは異風な音の運びを聴いた。韓国の作曲家お二人はすぐお隣の国ということで、会場に来ておられた。
後半。リヴィア・テオドレスク=ショケニア(ルーマニア)「ノクタニアーナ」は“永遠の夜”がテーマとのことだが、もっとも優しさ&雅びさをかんじさせる音の織物となっていて、現代音楽としては珍しいことに思った。オリジナルは3台のピアノのための曲だそうだ。プリペアドピアノを用い音の不条理な岩石塊を切り出すかに見える山本哲也「織られた季節」、強迫観念を楽想化したかのような今井飛鳥「ニノチカ」のあと、最後はロイス・V・ヴィアーク(アメリカ)「スピン2」で、向き合った2台のピアノの間でスリリングな応酬が交わされる、ミニマル音楽とかガムランのようにえんえんと奏しているうちにリズムとうねりとフレーズと響きの変化で自然と恍惚としたハイの気分になってくる構造の曲で、リサイタルの最後にふさわしくピアニストお二人も弾いていて(非常に大変だけれども)爽快だったのではなかろうか。
門天ホールの黒崎八重子さんに少しお話を聞いたが、以前の門仲天井ホールからここへ移ってきても変わらぬ意気ごみでクォリティの高い催しをやっていこうという気概が感じられ、それが今回のフェスティバル開催にもつながっているわけで、多くの音楽家に支持され愛されるこの小さなホールの舞台裏の秘密が少しわかったような気がした。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 21:39| Comment(0) | 日記
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