2016年10月18日

高梁静穂詩集『青の空』

aonosora.jpg高梁静穂さん(よみ=たかはししずほ、名古屋在住)の第2詩集『青の空』がこのたび洪水企画から出た。この12年間の作品から28篇を収録。帯に「若き日の残響、日々の暮らしの中で掬いとったもの、自分自身もつかみがたい胸の奥の屈託、肉親・故郷に寄せる思い──清らかさと透明感をもって率直につづる詩の言葉はいつまでも色褪せることなく輝く」という導入文を載せたが、そのとおりで、余計な韜晦をしない、飾らない詩行がすっと心に入ってくる。なにげないのだが、はっとさせられる、静かに光る一節に随所で出会う。装丁は平野晴子さんの詩集『黎明のバケツ』につづいて山本萠さんにお願いしたのだが、今回はカバーの絵の色彩のニュアンスがとても繊細だったこともあり、そうとう難渋した。しかしここにも飾らない素の軽やかさがあるのではなかろうか。
収録された作品のなかから「約束 I」を引用紹介する。これも本当になにげない話なのだが、人と人との間を流れる時間の本質をやさしく言い当てているようにも思えるのだ。

 こんど とか
 いつか とか
 たよりないもので
 それでも かならず
 つながっていると思うひとのこと

 たとえば
 年の初めに届く
 今年もよろしくの
 も とか
 お互いのやりとりのなかで
 またね と しめくくる
 その また とか

 どこにあるのかわからない
 いつ訪れるともわからない
 約束を待って
 どれだけ過ごしてきたでしょう

 それは日々のなかで
 いつも手が届きそうで
 届かないところにあって
 忘れていたのに
 不意に 声をかけられた気がして
 懐かしむひとのこと
 (後略)

(池田康)
posted by 洪水HQ at 15:59| Comment(0) | 日記
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