2017年03月06日

井上郷子ピアノリサイタル#26

上記演奏会を昨夜東京オペラハウスリサイタルホールで聴いた。サブタイトルは「近藤譲ピアノ作品集」で、この作曲家の作品ばかりを集めた構成となっていた。曲目は「イン・ノミネ」「夏の小舞曲」「メタフォネーシス」「テニスン歌集」「視覚リズム法」「リトルネッロ」「ギャマット」「カッチャ・ソアヴェ」「間奏曲」。
渡されたプログラムとは違った曲順で演奏されたので、その案内の紙は挟んであったのだが、気がつかなかった私はどの曲が演奏されているかについて混乱を感じながら聴いていた。従ってここで曲名を明示してうまく話をすることができないが、石か鉄でできているかのような無機的感触の音がシンプルに質実に置かれるというのが近藤氏の基本的な作曲のありかたのように感じられた。音が流れずに其処に佇む、という風情。従ってグルーヴを生むというよりも「秩序」がスタティックに立ち現れるという感じだ。こういう種類の曲を弾きたいと希求するピアニストは、音楽に酔いたい・音楽で遊びたい、ではなく音楽というものを考える音楽をやりたいと思うピアニストなのだろうと推測する。井上さんはおそらくそういう傾向を少なからず有しているのではなかろうか。
ちなみに近藤譲特集のリサイタルを井上さんは2011年3月にも開いており、それを聴いた感想をこのブログに書いている(2011年3月29日付、曲目もかなり重なっている)ので、それも参照していただきたい。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 16:56| Comment(0) | 日記
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