2017年04月03日

手引き

このあいだ牛丼屋で牛丼を食べていて、思い出した。大学のとき或る先輩が牛丼屋に連れていってくれたのが初めての牛丼だったと。紅生姜と七味唐辛子とで食べることもそのとき教わった。それまでは食べたことがなかったのだ。家では牛丼を食べる習慣がなかったから、食べたいという欲求がまったく湧かなかった。そこがカレーライスやラーメンやトンカツと違うところだ。未知のものに近づくには「手引き」が要る。誘い、きっかけ、コマーシャル。ただ手引きがあれば身につくかと言えばそうでもなく、麻雀や囲碁を教えてもらったこともあるが、プレイできるようにはならなかった。将棋はルールを知ってはいるけれど指しながら駒組みの思考を練ることがまともにできず出鱈目なへぼ将棋だ。ゲームの才能に欠けるところがあるらしい。スキーは高校の先生に、スケートは父親に(名古屋の西大須にはスケート場があった)教えてもらったけれど、子供のころやっただけで、ここ三、四十年滑っていない。なぜ持続しないのだろうと首をひねるばかり。
スケートといえば先日フィギュアスケートの世界選手権があり、イタリアのカロリーナ・コストナーがひさかたぶりに出ていた。数年前なにかの大会で彼女の翔けるようなスケーティングにほれぼれ見とれた経験があって、そのときの残像とどれだけ重なるか探りながら今回眺めていた。ぴったりは重ならなかったように思うが、トップ選手と競えるレベルで元気に滑ってはいた。音楽を選ぶ独特のセンスも他の人とは違うものを感じさせる。
フィギュアスケートという特殊なジャンルにはどんな手引きがあり得るのだろうか。子供がやりたいと憧れるのか、大人が導いてやらせるのか、どちらにしてもとても特殊な種目(職業)だ。よく志望するもの、宇宙飛行士並みに厳しい「狭き門」のように思われる。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 19:35| Comment(0) | 日記
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