名古屋へ行ってきた。ある方と中日詩賞の授賞式で落ち合ってある企画について打ち合わせ、という用件があったため。それを無事に済ませ、ちくさ正文館に寄って古田店長さんにも会い(「洪水」20号を置いていただけるそうです)、墓参もして、帰ってきた。帰路につく日、西日本は雨雲で覆われていたが、三河から静岡にかけては晴れていて、岡崎から豊橋の間の里山の緑や、青空と浜名湖のエメラルドグリーンとの映えがきれいだった。
中日詩賞の授賞式では野村喜和夫さんの講演があり、自らの作品「エデンホテル」の制作過程の解説がいろいろと舞台裏を明らかにしてとても面白かった。ガラリヤ湖近くの貧相なホテルを舞台とした「生の基底」に迫る作品。自作に対するささやかな疑念も話され、最後に「謎」というキーワードが示されたが、複数の疑念のつながりが作者自らも解き難い「謎」となっていくのだろうかと思われた。
帰りの電車の中では『大村雅朗の軌跡1951-1997』(梶田昌史・田渕浩久、DU BOOKS)という本を読んでいた。
(池田康)