2018年04月16日

山崎方代の鬼

夏目書房という美術系古書店からたまに販売図録が送られてくる。最近の一冊をぼんやり眺めていたら、山崎方代の短冊があった。筆跡は、こういう人とはあまり親しくお付合いしたくないなあと凡人に思わせるような、粗雑さ乱暴さを伴った無造作なもの。次の歌が書かれていた。

 親子心中の小さき記事を切り貫きて今日の日記をうめておきたい

えぐさに刺されると同時に、山崎方代がこの歌を気に入っていたというのもどこかわかる気がした。親子心中は「哀れ」の最たるものであり、悪くするとこういうこともあるんだよと、この世の残酷のどん底を見せられる思いがするのだ。そしてこの歌を短冊に書くとは、これまた恐ろしい行為で、山崎方代の“鬼”を見る思いがする。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 11:45| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: