望月苑巳さんが「みらいらん」4号で紹介していた映画「新聞記者」(藤井道人監督)を観た。国家権力の暗部を暴くという本格的な社会派作品であるのに、非常に抒情味あふれていて驚く。主人公の女性記者のキャスティング(シム・ウンギョン)がみごと。切れるのか、不器用なのかよくわからないジャーナリストの姿が妙に生々しく、このちぐはぐさがもたらす割り切れない現実味が作品を図式的理解の平面から拳一つ分ほど持ち上げているように思われる。国家権力なるものの底知れない不気味さ恐ろしさが徐々にあらわになり、真綿で首を締めてくるような、顔のない手が虫を弄ぶようなその感触、地震やゴジラよりも怖いかも。
ついでに。
「びーぐる」44号散文詩特集のアンケートに寄稿したが、雑誌が完成したようだ、ご覧下さい。
(池田康)
2019年07月25日
映画「新聞記者」など
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| 日記
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