2019年11月16日

Echo after Echo

東京都現代美術館(江東区三好)でひらかれる展覧会「Echo after Echo 仮の声、新しい影」(11.16〜2020.2.16)の内覧会があったので拝見しに行ってきた。吉増剛造さんの展示があったため。詩人・吉増剛造はここでは映像作家の鈴木余位、音響チームのKOMAKUSと組んで「表現活動を記録・共有する」ことの作品化を試みている。この夏から秋にかけての宮城県石巻市でのReborn Art Festivalの、牡鹿半島・鮎川で制作した詩も出てきて(マドモアゼル・キンカ……)、そこを訪れた日をありありと思い出した。ここ数年頻繁に美術館に登場する吉増氏の仕事、いまや詩の世界の人たちよりもむしろ美術の世界の人たちの方がよく見えているのかもしれない。
この展覧会ではほかに、THE COPY TRAVELERS(複製、コラージュを用いたにぎやかなタッチの作品)、PUGMENT(ファッションを題材にしたインスタレーション)、三宅砂織(カメラを使わない印画紙撮影)、鈴木ヒラク(洞窟壁画のようなドローイング)の作品が見られる。一見へんちくりんな姿形でも、作品として重みを感じさせるものがあるのは、並ならぬ本気度が大事なのだと気づかされる。
同時期にあと二つ、展覧会があり、一つは「DUMB TYPE ACTIONS+REFLECTIONS」これはメディアアートの制作集団ダムタイプの35周年の回顧展的な展示。現代を領する冷気が伝わる。もう一つは美術館の新しい収蔵作品を紹介する「いま─かつて 複数のパースペクティブ」で、草間彌生の(強い美術作家になる前の)初期の素朴さが残る作品、岡本信治郎の「ころがるさくら 東京大空襲」、秀島由己男のメゾチント作品など、よかった。
この美術館は広くて立派だが、地下鉄の駅から遠いのが弱点だ。迷子になりそうで心細い。舗道に特別のタイルを埋め込むとか道しるべとなる彫刻を並べるとか美術的に工夫された道標があるとよいのにと思う。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 20:35| Comment(0) | 日記
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