2020年08月13日

『八重洋一郎を辿る』の書評4

鹿野政直著『八重洋一郎を辿る』の書評が新しく出た(「けーし風」107号)。新城郁夫氏による一文「鹿野政直氏の新著から考えること」。A5判の2ページ分だからかなりの分量だ。鹿野氏の思考方法、論じ方は、沖縄という既成イメージの陥穽におちいらないよう努力をしていて、それゆえの苦難や痛みもともなう、という指摘が重要ポイントか。以下は抜粋である。
「敵を指弾していれば沖縄「を」考えなくて済む。沖縄「を」問わないために問わせないために、必死になって沖縄「で」語るのである。このとき、沖縄は実に便利な方便となる。ところが、こうした書き方をこそ鹿野氏は遠ざける。あえて言えば、鹿野氏の沖縄に関する膨大な仕事の全てが、沖縄「を」沖縄「で」語ることへの抗いとして読みかえしていくことができると思うのである。」
「鹿野氏は、沖縄「を」語ろうとする自らの思考のなかに、沖縄「で」語ることのできない闇を抱え込む。しかし、この困難を迎え入れるときはじめて、沖縄「で」語ることのできない沖縄「を」予感していくことが可能となるだろうし、沖縄を生きようとする私たちのいのちのあり方が発見されていくことになるのかもしれない。八重洋一郎という「闇」を抱え込みながらいのちを問う鹿野氏の新著を読みながら、そうしたことを感じている。」
それから「図書新聞」3457号(7/25)の「2020年上半期読書アンケート」で鶴見太郎氏が本書を挙げて下さっている。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 13:49| Comment(0) | 日記
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