2020年08月20日

自然の多層を撮る

先日、カリフォルニアで夢のような農場を作るドキュメンタリー映画「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」(監督=ジョン・チェスター)を見た。広大な荒蕪地で夫婦が一から農園を作る困難な過程を描く。土を糞やミミズといった有機肥料とともに整備し、さまざまな種類の果樹や野菜を植えて、羊や豚や牛や鶏を飼い、という絵本の中の話のような農の生活で、商売的には大儲けできそうな農法とは思えないが、生命の循環が具合よく組み合わさり融け合った、まさしく「理想的」なあり方のように見える。これを何十年かけてというのではなく7年ほどで達成しているのが信じられない。いい導師を得たということだろうか。さらに、コヨーテや鷹や蛇までもを生活の仲間として迎えようというところまで農業生活思想が短期間に発展成熟していくところ、これも予想を上回った。監督がカメラマンということもあって、生きものたちの映像が美しい。
自然の驚異を伝える映像作品ということで言えば、ややスケールが小さくなるが、「さわやか自然百景」というNHKの小さな番組をよく見る(日曜朝)。特定の地域に住む小動物を追うのだが、見せ方が大仰でなく、さりげないところがいい。このあいだは北海道の森の粘菌の生態を紹介していて、南方熊楠はこういうモノを調べていたのかと、イメージとイメージがつながった。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 11:17| Comment(0) | 日記
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