「みらいらん」9号が完成した。この号については新年になってから改めて紹介するつもりだが、ともかくもゴールまで辿り着けてほっとしている。半年に一冊のゆったりとしたペースだが編集終盤の11月下旬から12月上旬にかけては非常に気ぜわしかった。その反動で今はやたらのんびりした気分になっている。雑誌の発送作業も基本のんびりやるのがコツで、必要以上に急がなければストレスにならず疲れない。
さて、二週間以上前に注文したCDがまだ届かないのだが……、ひょっとして海外から取り寄せている? インターネットでどんなことも瞬時に解決するこの時代でもモノのやりとりとなるとときにえらく時間がかかる。二週間を経ても届かないというのは全くのんびりした話で、このまま永久に届かないままなのではないかと疑い始めている。
小田和正が主催する祝祭コンサート「クリスマスの約束」(テレビで24日深夜に放映)を録画して2度視聴した。一年かけて準備するゆったりとしたリズムの企画なのだが、よく考えられ練られていて中身が濃く、桂冠シェフによるコース料理のよう。こうした音楽番組を2度通して見るというのは珍しいことで、師走は大型の音楽番組がいくつもあるが、かように上等なコース料理になっている番組はほかにないだろう。奏される音楽に慈しみがこもっている。ことに終盤の数曲に心打たれた。
夏に刊行した宇佐美孝二著『黒部節子という詩人』(シリーズ詩人の遠征11巻)も、著者の宇佐美さんが2003年から同人誌で発表し始めた論考をまとめたもので、18年間の積み重ねという長い時間があってはじめて生まれうるものだ。予想外の反響があり、在庫切れとなってご迷惑をおかけしたが、年明けには増刷ができてくるはずなので、ぜひご注文いただきたい。なお、昨日の公明新聞紙上で、小池昌代さんが本書を「2021年 私の3冊」に選んで下さった。こちらもぜひご覧下さい。
(池田康)