
私自身は西脇についてはこれまで代表作とされるものを読んだ程度だったが、特集を組むということで、この3〜4月に詩作品をあらかた通読してみた。ようやく西脇順三郎の初心者となったようなかんじで、バケモノのような大きさに言葉もなく圧倒されている。
以前から、昭和38年刊の『西脇順三郎全詩集』を所持していたが、この本には晩年の四詩集が入っておらず、その『禮記』(1967)『壤歌』(1969)『鹿門』(1970)『人類』(1979)は個別に古書店で手に入れて揃えた。すべて筑摩書房。『人類』に付録の栞がはさんであり、そこに吉岡実も文を寄せているのだが、「詩集《鹿門》が刊行されてから、約十年の歳月が流れている。今度もまた私が造本・装幀を任せられた」とある。すると『鹿門』と『人類』は吉岡実の装幀なのだ。『禮記』『壤歌』はどうなのかわからないが、筑摩書房の本ではあるし、吉岡実装幀の可能性はあるだろう。
茫洋とした桁外れの詩人・西脇順三郎に今回の特集でどれだけ迫れるか、期待していただきたい。
ここに載せたチラシは吉増さんからいただいた、来月から開催のもの。
(池田康)