2023年06月17日

みらいらん12号

表紙002.jpgみらいらん12号が完成した。特集は「映画は夢に溶ける」。なぜ映画の特集をやろうという気になったかといえば、本誌レギュラー執筆陣に映画に詳しい望月苑巳・愛敬浩一・玉城入野の三氏がいたので、それなら是非、という事の次第で、特集の座談会もこの三人にやっていただいた(「映画と名乗る夢は暗闇でうたう」)。映画の世界全体と対象が大きいので議論が適切な道を行っているのかどうか心許なかったが、テキストを起こしてみると、不思議にもなんとかまとまっていて、安心した。
それから、吉増剛造さんを主人公にした映画「幻を見るひと」(2018)のエグゼクティブ・プロデューサーをつとめた城戸朱理さんに映画制作の実際についてお話を聞いたインタビュー「詩人は映画の沈黙に語りかける」(映画は沈黙が大事という論が新鮮)、新作映画「渇水」の八覚正大さんによる特別レビューがある。「渇水」の原作は河林満(2008年没)の小説で、河林さんには生前すこし交わりがあったので、彼の作家仲間だった八覚さんに執筆をお願いした次第。八覚さんによる繊細な読み解きをぜひお読みいただきたい。
そして中本道代・宗近真一郎・蜂飼耳・柴田千晶・広瀬大志・伊武トーマ・たなかあきみつ・高橋馨・菊井崇史・二条千河といった方々の論考や詩、さらにアンケートでは作曲家の池辺晋一郎さん、新実徳英さんにもご参加いただくことが叶った。
巻頭詩は吉田博哉・中原道夫・大仗真昼・酒見直子の各氏、俳句は山西雅子さん、短歌は長瀬和美さん。
この号から野村喜和夫さんの連載詩「アンチモンな生、遠い生 ──わが元素手帖から(1)」が始まり、その第一回の記念として巻頭トップにもってきた。
もう一つお知らせとして、この号から扉を高橋馨さんの線画で飾る。これもお楽しみいただければ幸いだ。
表紙のオブジェは國峰照子作品「断奏」(上)、「4分33秒」(下)。
その他詳しい内容については下記のリンクからご覧下さい。
http://www.kozui.net/mln12.html
(池田康)
posted by 洪水HQ at 13:53| 日記