2025年02月01日

最近のへぇー

最近、へぇーと思ったこと。
NHKのネットの番組表をぼんやり見ていたら、8Kのとある音楽番組に「22.2サラウンド」と書いてあった。22?……22個のスピーカー(+2個のサブウーファー)を使って鳴らすということだろうか。誰がそんな音響システムを持っているのだろう。うちにもAVアンプがあり、5つのへっぽこ安スピーカーをつないで大いにお世話になっているので(サブウーファーはまだ持っていない)、マルチチャンネルのメリットはそれなりにわかっているつもりだが、22チャンネルとはなんともかともイカれている。22のスピーカーを配置するだけでも大変だが、テレビからアンプへとつながるシステムがどんなモンスターになるのか、見当もつかない。音を体験してみたいものだ。十年後のブルーレイディスクの音声はサラウンド22.2が標準になるのだろうか。十年後の住宅のリビングルームは22個のスピーカーが埋め込まれていることが常識になるのだろうか。
歌手・こっちのけんと。昨年の11月か12月くらいにその存在を知ったが、かなりのインパクトの新しさを覚える。かつての宇多田ヒカルと同じくらい新しいとまでは言わないが、聴いて新鮮さに打たれるのは、曲の部分部分のつなげ方に発明と工夫があり(モンタージュの微かな異化もある?)、独特の弾みを仕込むからだろうか。他人の曲をうたっても生彩がある。
先日、映画「トワイライト・ウォーリアーズ 決戦!九龍城砦」を見たのだが(十年分の活劇アクションを見た感じ)、なぜか九龍城の姿がブリューゲルの描くバベルの塔を彷彿とさせた。二つは全く別物なのに。かたやバベルの塔は、エスペラント語の創造にもつながるような、理知的な目標を目指す建造物であり、かたや九龍城はそんな理知的な理想は皆無の、気ままに野放図に増築を重ねた立体的なスラム街なのだ。映画で描かれる城内の生活の、多くの心が融け合うようなうっとりとした共同体意識が「一つの言語」の見事な実現と見えたのかもしれない。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 14:42| 日記