2009年10月14日

合唱コンクールについての疑問

日曜日に短歌誌「ぱにあ」のための文章を書きながら、NHK全国学校音楽コンクールの中学生全国大会のもようを聴いていた。画面もつけていたのだが、書きながらでは見られないから、おもに自由曲の作曲者などを確認するためだけ(音声はアナログで流し、画面はデジタルでつけていると、数秒のずれが生じる、変な感じだ)。聴いていて、歌っている中学生がなんだか可哀想に思えてきた。課題曲がいきものがかり(というポップスのグループ)の作った「YELL」という曲なのだが、出場11校がすべて歌い終わった後、彼らが登場して歌ったら、どの学校の演奏よりも倍も強くアピールし、よくひびく。あれでは中学生たちは落胆するだろう。合唱が素手ならぬ素声であるのに対し、彼らは音響機械を通して歌っているということもあるだろうが、曲が基本的にソロ・ヴォーカルのための曲のような気がした。孤独な個人の感情のゆらめきを旋律で細やかに表現するのは断然ソロ・ヴォーカルが有利だろう。「蝶々夫人」の「ある晴れた日に」を合唱で歌ってもしようがない。零戦の飛行軌道を大型旅客機が飛ぼうとしたって無理がある。合唱には合唱という演奏形態の特性をいかした曲があるのではないか。というようなことを漠然と感じた。優勝は、福島県の学校で、2年連続とのこと。福島は合唱が強いのだそうだ。(池田康)
posted by 洪水HQ at 18:25| Comment(0) | 日記
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