2009年11月25日

続々「目から耳へ」

川村龍俊氏の朗読と後藤国彦氏のピアノ演奏のリサイタルが23日の夜、阿佐ヶ谷の喫茶店ヴィオロンで開かれた。なかなかわかりづらいところに会場はあり、かなり迷ってやっと辿り着く。この店はいわゆる名曲喫茶で、どでかいスピーカーが店の奥に鎮座し(この夜は静まったままだった)LPレコードが棚を占拠し山をなしている。客席は30名ほどか、ぎっしりつまり、さらに補助席を用意して、超満員で開催。朗読とピアノが順番にプレイする(もったいないようにも思うが、同時にはやらない)。朗読される作品、演奏される曲目は前もっては知らされない。あとでプリントを渡されて、ああこういう作品だったのか、ということになる。川村氏は、以前演劇をやっていたこともあって、とても立派な堂々たる朗読で、言葉が音になるときの生命感、香気、輝きを十分堪能できる。聴き入った。こんなの読めるのかと思われるようなナンセンス味の強い作品も強い説得力を持って提示されるから、驚いてしまう。この夜は、古今取り混ぜ、左川ちか、目黒裕佳子、三井喬子(「アンブレラ」おもしろし!)、村野美優、及川俊哉、壺井繁治、丸山薫、蔵原伸二郎、丸山豊といった人たちの作品が読まれた、ということだ。後藤氏のピアノ演奏の全体的印象を言えば、酩酊を知っている演奏といったらいいか。テンポが危うくゆれるとかそういうことではなく、酔いの感覚が自然ににじみ込んでいる、それは音楽に対するいとしさとも言えるのかもしれないが、わざとらしさのない、しかし身を捧げるような酩酊感が心地よかった。モンポウ、松平頼則、ケージ、コープランド、スクリャービン、等等の作品が演奏された、らしい(終演後もらったプリントを見るとそうなっている)。自作も一曲あったようだが、あとからしかわからないのでは注目して聴けない。休み時間には川村さんからいろいろ詩の朗読についてのお考えをうかがえ、興味深かった。2000冊以上の詩集を集めて研究、格闘しておられる氏の今後の仕事にますます期待したい。(池田康)
posted by 洪水HQ at 23:52| Comment(0) | 日記
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