2010年09月23日

谷元益男、プールとキノコ

「ぼくは一度だけこのプールで/泳いだことがある」(と、谷元益男さんの2004年の、思潮社の詩集『水をわたる』の詩「プール」で)。この詩を一度だけ書いたことがある、この詩は青い暗いプールの幽霊だ。プールの端で腕を水につけると、「向こう岸の/水際から腕が突き出てくる」「たしかにぼくのものなのだ」ああ、とても長い8メートルの腕なんだろうなあ氷の下のチョウザメの、ような。ナマズのように泳ぐ暗い変な驚きなのだ、それから、今年9月の、谷元益男さんの、新しい詩集『水源地』(本多企画)が、山奥でキノコを探してカゴに入れる、キノコがいる場所を多く知る者が老いて、「老いた者が/亡くなるとき/死の間際で/見た夢の中に/おびただしい/鮮やかな茸のカサが/ゆっくりと/開きはじめる」(詩「群生」)踊っていて赤いキノコキノコ、口を開くだろうなあ、あまり長くない1行、1行が並んでいるのが顔のないキノコで、枯葉を栄養にして湿った日にウワアアアアと言って育っています(小笠原鳥類)
posted by 洪水HQ at 01:45| Comment(0) | 来信
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: