2011年05月17日

混声合唱団 空(くう)演奏会

一昨日、混声合唱団「空」の第3回演奏会が虎ノ門のJTアートホールであった。湯浅譲二作品「擬声語によるプロジェクション」(1979)も演奏曲目に入っていて、特集を作っていることもあり、聴きに行った。指揮者は西川竜太氏。合唱団はよく鍛えられている感じで、しっかりとした音楽をつくる。「擬声語によるプロジェクション」は、今回何年かぶりに演奏されるということだったが、擬声語だけでできたテキストによって作られており、創作意図の研ぎ澄ましが鋭角的で、予想できないような曲想の変幻ぶりに心奪われた。「さわさわ(そわそわ?)」というところの響きの天上的な美しさから「ドキューン」と叫ぶような箇所の素っ頓狂な遊びぶりまで振幅が非常に大きく、実験的かつ冒険的、過激でしかもよくまとまっている快作。ステージ上で作曲者による解説があったが、大の大人がこんなものを作っていてよいのだろうかと自問しながら作曲を進めていたと冗談まじりに語られた。プログラムには「この曲実現への原動力として、例えば、狂言での太郎冠者が襖を“サラサラサラ、バッタリ”と言いながら演技するイマジナリティな様式感が私の意識の深層になかったとは言えないのである」と面白いことが書かれている。他の演奏曲目は、篠原眞「24人のヴォカリストのための「Syllables」」と柴田南雄「歌垣」で、どちらも規模と厚みのある、十分に作り込んだ、堂々とした作品。篠原氏のは初演ということで、ステージ上でのお話によると委嘱されてではなく自発的に3年かけてつくったとのこと。柴田作品は、合唱団員が歌いながら歩いて位置を変化させ(歌垣のドラマを表現?)、視覚的変化がパフォーマンスに重層性を与えて効果的だった。(池田康)
posted by 洪水HQ at 20:50| Comment(0) | 日記
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