昨日5月21日(土)、久我山会館で、イダヅカマコトさんのコーディネートにより、南川優子さん及びヤリタミサコさんを講師とする「現代英詩の勉強会」が行われた。
はじめに、ヤリタミサコさんが、アメリカの詩人アドリエンヌ・リッチの作品「パウラ・ベッカーからクララ・ヴェストフへ」及び「エルヴィラ・シャタエフへの幻想」を紹介してくれた。
次に、イギリス在住で日本に帰国中の南川優子さんが、イギリスの詩人キャロル・アン・ダフィの「バレンタイン」、トム・ガンの「乱れた視野で死にゆく自分を見ているバイカー」、ジョン・アガードの「植物に話しかける」、ジリアン・クラークの「ミュージシャン」という作品を紹介してくれた。
アドリエンヌ・リッチは、レスビアンという社会的に難しいテーマをとりあげたり、作品に実在の人物を登場させることによりタブー視されているテーマを扱いやすくするなどの工夫もしたそうだ。
また、イギリスの詩人と一口で言っても、イングランド、ウェールズ、スコットランドなど地方によって言葉には大きな違いがあるという。また、旧大英帝国の植民地出身のひとたちから見た英語あるいはイギリスというのも微妙なニュアンスがあるらしい。
講師からそうした社会背景の紹介を受けながら、用意してくれた英文と訳文をもとに詩作品を読み、活発な意見交換を行った。
外国語の詩を読むことは簡単なことではないが、日本語では気づかない視点や発想にふれたりすることで大きな刺激や有益なヒントを受けることが出来ると思った。
南川さんやヤリタさんのように英詩に通暁した詩人が最新の英詩を紹介してくれる機会を提供してくれることはとてもありがたいことだし、今後もこのような会が開催されることを強く望みたいと思った。
(南原充士)