2011年06月19日

詩の筏#03

18日、「詩の筏」第3回を荻窪の角川庭園で開催した。参加者は12名。庭が見渡せる一番大きな部屋にて。今回は、後半に南原充士さんの新しい詩集『インサイド・アウト』の批評会が予定され、前半は参加者が提出した詩を討議した。まず渡辺みえこさんの「ヒロちゃん--そのとき君の「時」はお母さんの乳房に埋まって」、三月の大津波でさらわれ行方不明になった甥御さんを悼んだ詩。きわめてやさしい筆致で書かれていて、意図的にそうしたということであり、和合亮一氏の“詩の礫”との比較の話にもなる。次に有働薫さんの「夏」、花を落とした菖蒲の葉の殺気に、ビン・ラディンの影も重なり、刺激的。颯木あやこさんの「贖罪」、宗教的と言っていいのか、思索の深さを思わせるイメージの重畳を解きほぐす試みがなされた。高崎喜久恵さんの無題作品、はじめて詩を発表されたということだが、しっかりした骨があり、多く支持の声があった。後半の南原詩集批評会、「ぺんぺん草」「夕日」「ソフトタッチ」「メタモルフォーシス」「四次元」などが積極的に論じられ、賞賛批判両面からの読み込みがありがたかった。参加者は上記の方々の他に、原田道子さん、中井ひさ子さん、沢聖子さん、結城文さん、岡山晴彦さん、そして(ゲスト的に)蝦名泰洋さん。いい雰囲気の会だった。帰路は雨、一つの傘に二人で、というなつかしいことを…。大きな傘を持つ人はよきかな。(池田康)
posted by 洪水HQ at 11:21| Comment(3) | 日記
この記事へのコメント
昨日はどうもありがとうございました。参加者がごく自然な感じで発言できてとてもよかったと思います。震災のこともあり、詩と現実との関係についてかなり突っ込んだ意見交換が出来たと思います。
また、拙詩集「インサイド・アウト」について参加者のみなさんから率直な感想をいただいて大いに参考になり励みになりました。自分もまた他の方の詩や詩集に反応しなければ、とあらためて思いました。
詩の筏が今後ますます発展することを祈っています。
Posted by 南原充士 at 2011年06月19日 11:37
おかげさまで、なかなか楽しい会になりました。討議もはげしいものがありましたし。よかったですね。準備の段階では、どんなふうになるかと不安もありましたが、終ってほっとしました。話の流れに夢中になりすぎて、写真を撮り忘れたのが、ひとつ残念でした。天気がよければ庭で記念写真を撮りたかったですね。
Posted by i池田康 at 2011年06月19日 22:31
 
「詩の筏#03」において、拙詩集「インサイド・アウト」についてみなさんからいただいた感想を、拙ブログに掲載させていただきましたのでお知らせいたします。http://nambara14.exblog.jp/i30/
Posted by 南原充士 at 2011年07月05日 12:46
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