2011年09月25日

福中琴子著『音楽、未知への旅』

hukunaka2011.jpg本日9月25日を発行日として、福中琴子さんの音楽評論の本『音楽、未知への旅
〜「ミュージック・フロム・ジャパン音楽祭」クロニクル〜』が洪水企画から世に出た。280ページもある、大変力のこもった評論集だ。三浦尚之氏の主催で毎年開かれ、日本の現代音楽作曲家による数々の作品をニューヨークに招来し、世界へ向けて紹介してきた「ミュージック・フロム・ジャパン音楽祭」35年の歴史を軸にしながら、そのときどきのステージで演奏された作品を取り上げ、音楽創造の秘密にこまやかに迫るという評論で、黛敏郎、三善晃、松村禎三、一柳慧、池辺晋一郎、石井眞木、林光、西村朗、野平一郎、湯浅譲二といった作曲家の仕事が論じられている。60年代以降の音楽創造の歴史が凝縮されていると言っても過言ではない音楽祭であることは、巻末の年譜をご覧いただければ一目瞭然で、福中さんはまたとないフィールドに踏み入ることを得たわけだ。しかし、本を出したいという意向をお聞きした2年ほど前から執筆の経過をうかがってきたが、書くのに非常に苦労されたようだ。書きあぐんでいるとか書き直しているといったようなことを何度か聞かされた。この様子だと当分だめだろうかと思っていたら、ようやく今年に入って原稿ができてきて、春が終わり夏になるという頃から実際の本の制作が始まった。非常に丁寧に、緊張感をもって、考え抜かれて書かれた論考で、感じ入るとともに、本の制作にもひとしお力が入ったが、細かい注や年譜の作成などとても神経を使い、著者が赤で直す箇所も夥しい数となり、これまでにない大変な作業だったことも事実だ。その結果、苦労の甲斐あってと十分な理由をもって言いたいが、重みのある立派な一冊となった。福中さんの初の著作であり洪水企画にとっても初めての音楽の本である。東京の(および少数だが他県の)いくつかの大きな書店には出る予定。ぜひ手に取って、ご覧いただければ幸いだ。本体2000円+税。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 00:23| Comment(0) | 日記
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