2013年03月20日

南原充士詩集『にげかすもきど』

nigekasu.jpg南原充士さんの新しい詩集が完成した。書名の「にげかすもきど」は日曜日から土曜日までの各日の頭の音をつなげたもの。冒頭に置かれたタイトル作は各曜日をうたっており、たとえば“日曜日”を引用すると、

 にこにこ 日曜
 にっこり笑い
 にたてたお湯で
 にんずうぶんの
 にがめのコーヒー
 にはいも飲んで
 にたりよったり
 にもつを持って
 にちぼつまでを
 にしへひがしへ
 にんいの場所で
 にくしみを捨て
 にんいの時間
 にんたいもせず
 にんべん拾って
 にっかを終える

他の詩篇もこんな具合にナンセンス色強くはじけていて、言葉の乾いた発条が感じられる。日常の常識を置き去りにする新鮮な経験の数々。「脳体操」「男女関係」のようにレイアウトに意を凝らした作品も入っている。あとがきに「笑いやユーモアには人間の心の緊張を解きほぐして現実を対象化しうる精神の自由を与える働きがあると思う。」とあり、本詩集の狙いどころがうかがえる。帯には谷川俊太郎さんの「文字であるとともに声である詩、音韻の遊びが現代詩にひそむ笑いを誘い出す。」という言葉。ユニークなブックデザインは川田武志氏。今回の詩集は南原さんが洪水企画から出す5冊目で、これで抱いていた大きな構想が一段落だという。その成果如何をとくとご覧頂きたい。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 12:13| Comment(0) | 日記
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