風邪をひいて寝込んでいた。風邪は突然襲いかかってきて“失われた3日”を作り出すから、たまらない。昨日など、かなり重要な予定が3つもあったのだが、すべてふっとんだ。暴力的出来事だ。こんなふうにわずか3日が奪われるのでさえちょっとした“形而上学的経験”になるのだから、冤罪で何年も獄中生活をする人の失われた時間は、形容も想像も絶する……。とにかく、ようやく回復して、世の中を浦島太郎の気分で眺めている。回復したばかりの日はまだどこかぼんやりしていて、仕事にならない。このだらだらした感じが妙に心地良いのもたしかで、病いから回復するときの特権だろうか。ベートーヴェンのラズモフスキー弦楽四重奏曲なぞを聴きながら漫然と校正の仕事をしていた。
(池田康)
2013年05月25日
風邪の形而上学的経験
posted by 洪水HQ at 14:25| Comment(2)
| 日記
この記事へのコメント
風邪寝込まれていたのですね、無理をしないようにしてください。
Posted by 原田 at 2013年05月26日 18:58
ありがとうございます。疲れがたまってくるとどこかで決壊するようですね。
Posted by 池田康 at 2013年05月26日 22:21
コメントを書く