
洪水12号が完成した。144ページと、かなり分厚いものになった。今回の特集は「合唱の可能性」で、湯浅譲二・谷川俊太郎の両氏に合唱指揮者の西川竜太さんが加わった座談会「コーラスの個性を問う」、新実徳英・栗山文昭(合唱指揮・栗友会代表)の両氏の対談「血の奥から歌声が生まれる」、そして詩人の渡辺玄英さんと作曲家の篠田昌伸さんの往復書簡(渡辺さんの「火曜日になったら戦争に行く」を篠田さんが合唱曲に作曲したという関係)、エッセイは小池昌代、川島素晴、渡辺みえこ、森山至貴、寮 美千子、永澤康太、田中健太郎、伊武トーマ、海埜今日子、大田美和、谷口典子、浜江順子、杉中雅子、鈴木敏秋といった方々が参加してくださった。私は新実さんの「つぶてソング」(和合亮一さんの「詩の礫」からテキストを選んで新実さんが作曲した合唱組曲)についてレポートを書いている。総じてかなりの規模の特集になったし、合唱に関する思考も深まったように思う。実に様々な角度からの見方が出てきているので、この音楽ジャンルに関心のある方はぜひお読みいただきたい。
「詩で描く新世紀地図」第4回目は、林浩平さんに撰をお願いした。選ばれたのは、会田綱雄、栗原洋一、稲川方人、ぱくきょんみ、吉野令子、松本邦吉、岬多可子の各氏の作品。玄妙なものから可憐なものまで、多彩な七篇が並んだ。こちらもぜひご覧いただきたい。
ピアニストの井上郷子さんの連載、今回は作曲家の藤枝守さんの仕事がテーマになった。他の連載エッセイや評論も充実、そして巻頭の詩作品のページは八重洋一郎、柴田千晶、萩原健次郎、北川朱実、小川三郎の皆さんに飾っていただいた。お手にとっていただきたく、お願い申し上げます。
(池田康)
Thank you.
Even a small boat can go as far as sea allows.