2014年03月03日

南原充士対訳詩集『永遠の散歩者 A Permanent Stroller』

apermanentstrollercover.jpg南原充士さんの英和対訳詩集『永遠の散歩者』が詩人の遠征シリーズの第5巻として小社から出た。正式な発行日は4月1日になっているが、もうすでに完成している。1600円+税。袖の紹介テキストにはこうある:「詩集は対訳の形で現れた。英語の詩が日本語に生まれ変わり、日本語の詩が英語に変貌する。両者は双子だろうか、互いの鏡像だろうか、土俵上の東西力士だろうか、それとも真作と贋作だろうか。二言語の詩的対話の散歩はどこへ向かうのか。永遠への眼差しを第三の目とする飽くなき試行の詩人・南原充士の新たな挑戦。」
サンプルとして、詩集冒頭に置かれている「Hydrangeas(あじさい)」の第一連を引用紹介しよう。

 Cloudy is my heart.
 Tears drop and wet my fists.
 A taint of insanity is coming on tiptoe.
 A slight headache annoys a deep part of my existence.

 ぼくの心は曇っている
 涙がこぼれてぼくの手の上に落ちる
 かすかな狂気が忍び足で近づいてくる
 軽い頭痛がぼくの存在の深い部分を悩ます

以前発表された作品も若干含まれているが、大部分は今回初めて詩集に収録されるもの。作者自身が英訳し、歌人で英文学者の大田美和さんに監修をお願いし見てもらった。
正統的で高い達成の作品もあるかたわら、南原さんの詩集のつねとして、非常に突飛でナンセンス味にみちた、どう受け取ったらいいか戸惑うような作品も入っている。常識人であり堅実な勤め人のように見える南原氏の内側にそういうアナーキーでギラリとした部分があることを証していて、これはこれでとても興味深いのだ。
先月初頭、新宿駅前のルノアールで、南原さん、大田さんと三人で長時間にわたり英語テキストを検討したことは思い出深い。そのテキスト細部の検討は印刷所へ入れる直前まで続いた。
(池田康)
posted by 洪水HQ at 08:27| Comment(0) | 日記
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